双子症(最近見た夢)

手のひらの中にエメラルドの原石のようなものが埋まっていて、だんだんと範囲をひろげている。

私はそれをどこか嬉しく思っていて、手相に沿って表面に出てきているエメラルドを磨くように撫でる。つるっとしていて緑色できれいだ。手を光にかざすと手の中で広がっている、表面に出てきていないエメラルドが透けて見える。指先から手首のあたりまで、手の影は薄い緑色だ。もうこんなに範囲を広げている。

このまま行くとエメラルドは全身に行き渡り、体の機能は失われて、やがて死に至る。

なぜこの病が双子症と呼ばれているのか、知っている人は少ないという。それだけ珍しい病であるが、全身がエメラルドの結晶になってしまうその美しい最期のために、半分お伽話のような扱いを受ける病でもあった。