インターネットで会いましょう

なんとなくもう世の中はコロナ以前・コロナ以降で区切られて、全部元どおりになんてならない気がして気が滅入っている。コロナ以前に大学生で良かったな、コロナ以前に海外とか行けば良かったな、コロナギリギリ前に超楽しい旅行行けて良かったな、コロナより前に誰かと一緒に暮らせば良かった。

 

そんなこんなでインターネットのありがたみをより一層感じている。

インターネットとは古くからの付き合いですが(恥ずかしい…)、まさか比喩的でなく本当にインターネットで会いましょうだなんて言葉を口にする日がくるなんて!(「オンライン飲みしよう!」とか)

まあ蓋を開けてみればただ単にビデオ通話なのでインターネットとはちょっと違うのかもしれないが、YouTubeやインスタグラムで各々配信するだとか、この時間にこれ(任意の配信)するからここ(任意のSNS)集合!みたいな流れとか、今は全然普通で凄いよね。

オンライン飲みでは、家にあるお気に入りのもの(本とかぬいぐるみとか)を紹介しあったりしたら楽しそう。最近で言えば、どうぶつの森内で友達と遊んだりとか、なんか近未来っぽい。実際は家で一人でいるのに誰かと交流して世間と繋がれてる気持ちになれるなんて便利・楽・楽しい。

で、私はインターネット上で誰かと何かをする(いわゆるSNS)が昔からそれはもう好きなのである。あんまり認めたくなかったが、この際認めます、インターネット大好き。

小学生の頃流行っていたインターネットと聞いて思い出すのはおもしろフラッシュとか赤い部屋とかだ。大抵小学校のパソコンルームを使った授業でクラスメイトが馬鹿でかい音量で流してしまって先生に怒られていた。小学校高学年になると家のパソコンで友達とメールをしたりした(もちろん家族共有のパソコンだ)。でも並行して交換日記なんかもやっていて、今思い返すとなんか変な感じ。関係ないが、部屋の掃除をしたら押し入れからこの頃の交換日記が何冊も出てきた。私が持ってるということは、私が日記をとめていたということだ、罪深…。(今から郵送とかで回したらウケるだろうか…と少し考えたけどホラーなのでやめた。)

 

自分の中であきらかにこれがインターネットだ!と自覚した出来事がある。

それは小学5年の頃クラスメイトから「ねえ、掲示板って知ってる?」と掃除の時間に話しかけられたことから始まった。しらない、と答えると、どうぶつの森(この頃はおいでよどうぶつの森が流行っていた)のホームページ内にある交流掲示板にスレッドを立てて、放課後友達同士で集まっているというのだ。

「小5の人あつまれ」っていう名前のスレッドだから、よかったらきてねと言われ帰宅後すぐ検索、中に入ってみるとその子のニックネームや他のクラスメイトの名前、あるいは全く知らない(と思われる)人の名前で会話が繰り広げられていた。

全く未知の世界だった。この時のドキドキ感といったら。恐る恐る書き込んでみるとすぐさま返事が返ってくる。掲示板独特の言葉遣いも覚えそれはもう夢中になってしまった。当時好きだった男の子も参加しており、ここぞとばかり仲良くなるチャンスを狙った(ダメだった)

その後は授業が終わると、「じゃあ放課後掲示板集合ね!」と言い合って即下校する毎日が続き、掲示板メンバーもどんどん増えていった。

「小5の人あつまれ」の他にも様々なスレッドが立っては消え、立っては消えの毎日で、面白いことにどうぶつの森関連のスレッドなんて1つも見当たらなかった。

7割くらいのスレッドは「セックスって何ですか?」とか「生理ってなんですか?おしえてください!」とか「エロい話したい人!」とかそんなのばかりで今思い出すと笑ってしまう。

私はといえば数人の友達とリレー小説を書いたりして(思い出すと死にたい)かなり楽しく遊んでいた。自分と友達になった掲示板上の友達の名前を、自分のアカウント名のとなりに羅列していく文化があって、その頃私のアカウント名は大層長いものになっていた。

あまりに私が掲示板に夢中になるので親からも散々注意されていたのだが、こんな楽しい遊びやめられるわけがなかった。学校で内緒話なんかしなくても、「じゃあ掲示板で」が合言葉となって放課後はパソコンの前に座った。秘密の場所を持った気持ちになった。この頃からネットいじめという言葉は存在していて、自分たちのやっていることが1つ道を間違えるとそれにつながることはうっすらと分かってはいたが、そんなちょっとした罪悪感も、ただただ楽しい気持ちを加速させただけだった。

そんな楽しい掲示板生活はある日急に終わりを迎えることとなる。バカな私は掲示板上の変なURLを踏んでウイルス感染してしまったのである。この日からパソコンはお預け、掲示板も二度とやらせてもらえなくなってしまった。

そのあと少しすると、もうすぐ中学に上がる頃合いだったのもありあっけなく掲示板メンバーも解散。各々現実世界でがんばることとなった。

 

中学にあがると携帯を持ち出す子も増え、中学〜高校前半くらいまでは「前略プロフィール」だとか「モバスペ」で個人ホームページを作ることが流行った。

モバスペやらナノ(懐かしい…)といったサイトで女子中高生がHTMLを書いてホームページを作るのだ(実際はコピペして貼っていただけだが)。

ホームページの内容は、プロフィール、リアル(今のTwitter的な短文を呟く場所)、日記、アルバム…等。私はこの頃のインターネットが本当に懐かしくて大好き・・・。リンクを小洒落た画像(小洒落た画像?)にしたりフリー素材でわけわかんなく飾ったり、好きなバンドの歌詞がタイトルだったり、痛々しくも懐かしい最高の空間だった。

ホームページの流行には付随してランキングサイトというものがあり、身内の友達同士やカップルでホームページを運営しているいわゆるイケてるグループはそんなものには登録していなかったが、同じ趣味の友達を探すサブカルな子たちはだいたいランキングサイトに登録して、誰かの訪問を心待ちにしていた。サブカルって言葉は昔から嫌いだったがなんか今はもう死語っぽくて懐かしいので使ってしまう。

私が見つけたサブカルなランキングサイトの名前は大体バンド関連のものが多く、ミッシェルの歌詞だったり50回転ズの曲のタイトルだったりした。アマレット(ノーベンバーズの曲)ってタイトルのランキングサイトもあったなあ。どのサイトも上位者は大体決まった界隈では有名な人、というかもはやカリスマみたいな人で(すんごくお洒落で可愛いとか、バチバチに雰囲気があるとか)、1位は決まって同じ人だった。私もこの人のことが大好きで追っていたが今はどこかの島でカレー屋をしているらしい。時は流れるもんですね。

ある意味閉鎖的でどんどん独自のデザインができて誰の目も気にせず訳のわからないことを書いて、しかも無敵の十代で、この頃の感じってもうどこでも味わえない気がしていたけど年齢のせいもあったんだろうか。懐かしいね。今あるSNSだとTumblrが一番近い雰囲気だったかもしれない。Tumblrも最近あまり聞かないね。

この後はmixiが流行って、Twitterに移行。mixiも面白かった。マイミク申請とかあったよね。ホームページ時代に仲良くなった人からマイミク申請きた時は嬉しくて飛び上がった。あとは全然クラスの違う子と趣味を通じて超仲良くなったり。Twitterは当時好きだった子が始めてたのでなんとか近づこうと始め、無理やりガラケーで、メールでツイートしていた。当時の携帯のアドレス帳には「Twitter」という登録がある。

並行してアメーバブログも書いていて、まあ大体くだらないことを書いていた。まだあるのだろうかとブログを探したらあった。1つめちゃくちゃ笑ってしまった記事があり、大学進学を控え、志望校の軽音サークルのHPでものぞくかあと思い見てみた感想として、「へらへら適当にアジカンやらバンプやらコピーしてニコニコしてるんじゃねえよ。せめて髪のばしてベルボトム履いてもっとイカしたことやれよ、コピバンで満足するな」というようなことが書いてあり絶句。コッワ。こわ〜・・・。ちなみに私が相当楽しんで卒業したサークルです。ごめんね17歳の私・・・。

今まで経てきたブログとかホームページとかSNSが今もインターネットの海のどこかに存在し続けているのかと思うと不思議な気持ちになる。亡くなってしまった人のSNSが残っているのを見る時もなんとなく近い気持ちになる。

 

最近は、あんまり使ってなかったパソコンで電話しながらオンラインゲームしたり、数人でオンライン飲み会したり(すごい飲んじゃう)、相変わらずインターネットよありがとう。みんなインターネットで待ち合わせして会いましょう。

インターネットで会いましょうって語をかなり気に入ってしまった、近未来っぽいのに古臭い感じがして。